『 リトル・ダンサー 』

Billy Elliot (2000) UK / France 1hr. 50min.


英国北部の炭鉱町で生まれ育った少年がダンスの才能と踊ることへの情熱に目覚めてバレー・ダンサーを目指す。

1984年、英国の炭鉱産業界ではストライキの嵐が吹き荒れていた。英国北部にあるこの町も例外ではなかった。斜陽産業ゆえに出口のない不況とはわかっていても炭鉱以外で働いたことの無い大人たちは他に生きる道も分からずストライキを続ける。

ビリー(Jamie Bell)は11歳。父も兄も炭鉱で働いている。父親はビリーも大きくなったら炭坑で働くものと思っている。強くたくましいのが男の条件という田舎のこと、ビリーも他の男の子と同じようにボクシングの稽古に通わされていたが、でも実はビリーはボクシングには興味が持てなかった。それより同じ体育館で女の子たちが習っているバレーが気になって仕方なかったのだ。こっそりとバレーの稽古に潜り込んだビリーはダンスの才能があると先生にも認められロイヤル・バレー・スクールのオーディションを受けるようにすすめられる。 これは、ビリーにとって大きな決断である。親と離れてロンドンで住むことだけでも冒険だし、さらにロイヤル・バレー・スクールで学ぶと言うことは将来はバレー・ダンサーになるということだ。11歳にして人生の決断を迫られる事になった。 ビリーは「炭坑労働者になるよりバレー・ダンサーになった方が良いのだろうか」と仲良しの少年に相談する。それにバレーの稽古ですら父親に内緒なのにロンドンにある学校へ通わせてくれと言い出すのは難しい・・・

鉄鋼労働者の町を舞台にした『フル・モンティー』と似たような環境。出てくる人にも悪人はいなくて頑固者も最後には努力するヒトに惜しまぬサポートをする様になるという気分良い映画。

映画はコメディー風味の感動作だが、たっぷりと流れる T Rexの音楽のノリが良く映画が終わると自分もダンスをしたくなってくる。

dir: Stephen Daldry
(23JUN01)

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