『 フェアリーテイル 』

Fairy Tale: A True Story (1997) U.K. 1hr. 38min.



時は第一次世界大戦中の英国。父親が戦地で行方不明になった8歳の少女は、小さな村で両親と暮らす12歳の従姉妹一家のところにやってきて一緒に住むことになった。
ふたりの少女は仲良しになり一緒に森に遊びに行く様になる。ある日、2人は森の中で見た妖精の姿を写真に納めた。 当時の少女達に画像合成技術などあるわけも無い。 その写真をみたコナン・ドイル(ピーター・オトゥール)は写真を本物だとして雑誌に記事を寄稿し、英国中が写真の真偽をめぐって大騒ぎになる。

これは1917年に実際に起きた「妖精事件」に基づいて作られた映画である。 ファンタジーでありながら戦地から戻った負傷兵と少女のふれあいなどのエピソードも挟む事により時代背景を映し出すとともに父親の帰りを待つ少女の心も表しており、 現実と非現実の混在が心地よい。また、ドイルと共に少女達の住む田舎を訪れる、ドイルの親友で天才的魔術師のフーディーニ(ハーヴェイ・カイテル)が良い。 ドイルとフーディーニという強力な実在の人物を登場させていることから作品は時代考証がしっかりしていて歴史的存在感が強くユニークなファンタジーに仕上がっており見ごたえがある。

木々の露を感じさせられる様な森の中の画像、村の風景、街の様子、優れた映像美術によりまるで当時の世界に居る様な錯覚に陥る。

dir: Charles Sturridge


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