グラン・ブルー

Le Grand Bleu - Version Longue (1988) France、 2hrs. 48min.



フリーダイビングで記録に挑む2人と1人の女性の3人の生と愛がテーマの海洋ロマン。

小さな頃、ギリシャの島で一緒に潜っていた幼なじみのジャック(Jean-Marc Barr)とエンゾ(Jean Reno)が20年くらいして再会、潜水の国際競技で競い合う。 フリーダイビングは、呼吸用潜水装置をつけずに素潜りで、何十メートル(記録は100メートル超)も潜るもので、人間の限界に挑戦する過酷なスポーツだ。 ワールドチャンピオンだったエンゾの記録を破ったジャック、そしてエンゾもジャックのその記録を上回る深度まで潜る。お互いの記録を破ろうと葛藤する2人。
一方、ジャックの人生には、ジョアナ(Rosanna Arquette)という女性が登場してややこしくなってくる。 ジャックはイルカ以外とはつきあったことがなかったから、エンゾにアドバイスを求めてみたりしても、なかなか事は思うように運ばなず、愛しながらもトラブルが絶えない。
南欧各地で開催されるダイビング競技では、負けたくないために次から次と記録を塗り替えていくジャックとエンゾ。そのうち、ジャックの技量が自分以上であることを認めたくないエンゾは、無理をする。 ついにはエンゾが事故に遭遇。死ぬ間際に、海に帰してくれ、というエンゾをジャックは海に沈める。 その後ジャックは、子供ができたというジョアナを陸に置き去り、自分も、イルカと ともに深海に消える。

グラン・ブルー(ビッグ・ブルー): マリンブルーの海は深く潜るにつれ藍色にかわりやがて果てしなく濃い暗闇になる。 気が遠くなるような美しい画面にエリック・セラの音楽が完璧にマッチしていて、どちらが欠けても、この吸い込まれる碧い世界は成立しなかった。

自らをホモ・デルフィナス(イルカ人間)と呼ぶジャック・マイヨールをモデルにイルカと海を主役とした映画。
癒しの映画、精神世界の映画、海洋ロマン、いろいろな捉えかたが出来るが、この映画の好きな人々の共通点は一秒でも長くこの世界に浸っていたい、というところだろう。

dir: Luc Besson