ロシアから逃げたユダヤ人少女がアメリカに出稼ぎに行った父親を探すまで。ロシアでのユダヤ人迫害とアメリカのショウビジネス界を音楽を媒体として関連付けて描いた作品。 歌の上手いヒロインにクリスティーナ・リッチ、ヒロインが恋におちるジプシーにジョニー・デップ。

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1927年のロシア。 映画は、父親に肩車されて楽しそうな幼い少女の屈託の無い笑顔から始まる。気分の良い木立のある道を娘を肩車して歩いていく父親、貧しいが平和で幸福な生活風景である。

画面は一変して襲撃されるユダヤ人の村になる。馬車に乗せられ逃げる少女フェギレーには父親の写真が持たされた。父親はアメリカに出稼ぎに行っているのだ。こうして、フェギレーは孤独な人生を歩み始めることになる。父親の居るアメリカへの渡航を願っていた少女がたどり着いたのは英国の港だった。そこでは係官がそれぞれの移民に英国風の名前をアサインしていた。フェギレーはスージーとなった。

少女は英国で小学校と中学校を終えた後、歌の才能が認められてパリでコーラスガールの職を得る。パリでは親友ローラ（ケイト・ブランシェット）が出来て、また、ジプシーの青年チェーザー（ジョニー・デップ）との初恋も。有意義で幸せな日々を送っていたが、第二次世界大戦が勃発、パリはナチスの手におちる。ユダヤ人であるスージーはパリから脱出するしか生き延びる道はないが、それはチェーザーとの別離を意味する・・・

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画面がものすごくきれい。音楽が良い。テノールの歌手によるアリアのシーンが豊富だし、ほかのシーンでも音楽が効果的に用いられている。ストーリーは暗いのだが、映像と音楽が良くて暗澹たる気分にはならず詩的な作品となっている。

馬に乗ったジョニー・デップが格好よくステキ。でも金歯をはめているところはちょっと・・・。妙なところに凝らないでもよいのに。

主な出演者：

dir: Sally Potter

aka Les larmes d'un homme (2001) (France)