『 ニューヨーク・ストーリー 』

New York Stories (1989) USA 2hrs. 05mins.

ニューヨークを舞台にした3つの話からなるオムニバス。

第1話 Life Lessons:
ソーホーに住む画家ライオネル(ニック・ノルテ)とその元ガールフレンド(ロザンナ・アークエット)の物語。個展も開き成功をおさめているライオネルは、実は彼女とよりを戻したい。彼女も絵を描くのだが、どうやらあまり才能は無い。空港に着いた彼女は迎えにきていた彼の家に下宿するが・・・・

第2話 Life without Zoe:
マンハッタンの高級ホテル住まいの少女ゾーの日常を、学校の友達、たまにしか会えない多忙で金持ちの両親との関わりを通して御伽噺タッチで描写。

第3話 Oedipus Wrecks:
広告会社員シェルダン(ウッディー・アレン)は母親に頭があがらない。見物に行ったマジック・ショウで観客の中からたまたま彼女が選ばれて不思議の箱に入ったが、何とそのまま彼女はいなくなってしまう。次に彼女が現われたのは・・・

どれもニューヨークで生活する人々の数日間を切り取ったクリップ。ニューヨークのいろいろな顔、アーティスティック・サイド、リッチ・サイド、そして普通・サイドのどれもが、そつなくまとまってる。
* * *

第1話は、ソーホー(South of Houston Street、かつての倉庫に芸術家が住み、ギャラリーも多い。)というNYの文化のひとつを代表する一角を切り取り雰囲気は良いのだが、ニック・ノルテがあまり好みでないものでいまひとつといったところ。 個人的には第3話がいちばん好みに合う。これは、いかにもウッディー・アレンらしい舞台設定で、実際に彼の生活範囲とかなりオーバーラップした場所で撮影したように見受けられる。 台詞はウッディー・アレン作品にしてはおとなしい。リズムは軽妙。

「NYってどんな街」って尋ねられた時に、「こういうところ」といってみせるのに良い。

dir: Martin Scorsese、Francis Coppola、Woody Allen