『 プルーフ・オブ・ライフ 』

PROOF OF LIFE (2000) USA 2hr. 15min.


舞台は南米、反政府ゲリラにより米国人エンジニアの夫を誘拐された妻アリス(メグ・ライアン)と、プロの人質交渉人テリー(ラッセル・クロウ)のサスペンス&ラブ・アクション。

アメリカ人のダム建築技師ピーター・ボーマン(デビッド・モース)が南米で反政府ゲリラに誘拐された。 国際的な人質交渉の専門家テリー・ソーン(ラッセル・クロウ)は勤務している会社の指令により現地に飛んだ。身代金 $3百万の交渉を始めようとした矢先、ピーターの会社は経営難から誘拐対策用の保険をカットしていた事が判明、テリーはやむなく現地を引き上げることになった。 しかし、深く落ち込むアリスを見捨てておけないと感じたテリーは再び現地に戻り、アリスにピーターを生きて取り返すと約束する。 絶望感にとらわれたアリスにとりテリーは唯一心の支えとなりそれは信頼心以上のものに変わっていく。

一方、誘拐犯人との交渉は難航し、あと一息という段階で手がかりを失ってしまう。救出の行方は・・・

南米の政情をからめたポリティカル・サスペンス仕立ての部分あり、また、アクションも豊富でなかなか見ごたえがあるのだが、その他の要素も盛り込みすぎていて全体がぼやけてしまっている。 映画の面白さをそいでいる最大の点は、一旦帰国したテリーが戻ってきた理由の説明が貧弱である事。 それ以外はそれなりに練られたストーリーなだけに、この弱点が目立つ。 その他の物足りない点としては、メグ・ライアンとラッセル・クロウのラブ・ロマンス風味についてで、このロマンスの扱いが中途半端である事。 また、誘拐されている約四ヶ月の期間について、誘拐された側と残された側の双方が交互に描写されてれているのだが、状況描写、心理描写などが曖昧でどうも安直で物足りない。 国際誘拐と交渉専門家というのは面白いテーマだけに、もうすこし焦点を絞り込んでいたら、ドラマティックで面白い作品になっていただろうに惜しい。

感情を抑えて任務をまっとうするクールな男、ラッセル・クロウの定番キャラクタはやたら格好よい。 うまく作ったら21世紀の『カサブランカ』になれたかもしれない。 オーバーオールは及第点クリアの作品。


主な出演者
Meg Ryan … Alice Bowman
Russell Crowe … Terry Thorne
David Morse … Peter Bowman
Pamela Reed … Janis Goodman

dir: Taylor Hackford (『Devil's Advocate』)
(15DEC01)

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